「あなたの携帯電話が2時間後に使用できなくなります」
「銀行口座が不正利用されています。今すぐ警察に来てください」
電話で突然このような言葉を言われたら、驚きますよね。しかし、これらの言葉は、特殊詐欺で実際によく使われているフレーズなのです。
電話など非対面で接触し金銭をだまし取る特殊詐欺は、年々手口が巧妙になっています。本記事では、特殊詐欺の電話でよく使われる言葉や誘導パターン、だまされないための対策方法をご紹介します。
特殊詐欺被害は年間721億円、若年層も危険
近年、オレオレ詐欺などをはじめとする特殊詐欺が高水準で発生し、その多くは電話を通じて行われています。
警察庁の統計によると、2024年の特殊詐欺の認知件数は全国で20,987件、その被害総額は721億円にのぼりました。
特殊詐欺というと、高齢者が狙われやすいイメージを持つ人が未だ多いですが、最近は巧妙なシナリオによって若年層も狙われています。特に、昨今急増している警察官をかたる特殊詐欺においては、20〜30代の若年層で被害が急増しています。
特殊詐欺では、「自分が被害にあうとは思わなかった」という声が多くあがります。巧妙な言葉や誘導パターンにより「まさかの展開」が繰り広げられるうちに、冷静な判断力が奪われ、被害にあってしまうのです。
<参考資料>
■特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等(令和6年・暫定値)について 広報資料(警察庁)
■令和7年3月末における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(警察庁)
詐欺電話でよく使われるフレーズと手口【5選】
詐欺の電話にはさまざまなシナリオがありますが、注意深く分析してみると、使われるフレーズや誘導パターンに一定の共通点があることがわかります。特殊詐欺でよく使われるだましの手口を5つご紹介します。
【パターン1】「口座が不正利用」「あなたに容疑が」不安をあおる言葉

特殊詐欺では、実際には発生していない事件など、うその話で被害者の不安をあおり、信じ込ませる手口が多く見られます。
例えば、「あなたの携帯電話(銀行口座)が不正利用されている」「事件の捜査であなたのキャッシュカードが見つかった」など、被害者が何らかの事件に巻き込まれていると思わせるようなフレーズは、詐欺でよく使われています。中には、「指示に従わなければ逮捕する」「このままでは裁判になる」など、脅すような言葉を言ってくる場合もあります。
【パターン2】「守秘義務」「誰にも言わないで」周りへの相談を封じる言葉
「あなたに犯罪の容疑がかかっている」などのシナリオでだます手口では、警察などを装った犯人が「極秘捜査のため誰にも言わないでください」「家族にも話してはいけません」などの言葉で、周囲への相談を封じる場合があります。なぜなら、犯人は被害者を孤立させ、家族や周囲の人に相談できないようにし、犯行を完遂しようとするからです。中には「守秘義務」などの口実で偽の書類を使い、周りに相談させないようにする手口などもあります。

【パターン3】警察手帳や逮捕状まで!偽の身分証や書類で信用させる
犯人はメッセージアプリを使い、偽物の警察手帳や偽造した逮捕状などを画像で送ってくる場合があります。中には、ビデオ通話を用いて、警察官の格好をした犯人が偽の警察手帳を見せてくる場合もあります。
ほとんどの人は、警察手帳や逮捕状を実際に見たことはないはずです。そのため、これらを見せられて強い言葉で説得されると「本物かもしれない」と思い込み、だまされるケースが多発しています。警察がメッセージアプリで連絡をしたり、警察手帳や逮捕状を画像で見せたりすることは絶対にありません。

【パターン4】「今日中に」「◯時間以内に」タイムリミットで焦らせる

「2時間後に電話が止まります」「今日中に手続きしないと裁判になります」など、時間の制限を設けるのも、よくあるだましの手口です。
人は時間に追われると判断力が鈍り、「早く解決しなければ!」と焦る気持ちから、指示に従いやすくなってしまいます。短いタイムリミットを設定して考える時間を奪い、パニックにさせ、金銭の振り込みに誘導するのも犯人の狙いです。突然の電話で「今日中に」「◯時間以内に」などの言葉が出てきたら、詐欺を疑ってください。
【パターン5】警察、検察、弁護士...複数の人物が登場「劇場型詐欺」

特殊詐欺の電話では、警察官、検察官、弁護士、銀行職員、携帯会社のオペレーターなど、複数の人物が次々に登場する場合があります。これは「劇場型詐欺」と呼ばれる詐欺の手法の一つです。
冷静に話を聞くと矛盾があったり、話に一貫性がなかったりするケースもあります。しかし、さまざまな役職の人物が登場し、リアリティを演出してくるため、被害者は話を聞くうちに「本当に事件に巻き込まれているのかもしれない...」と信じやすくなってしまうのです。
詐欺電話の対策方法
あやしい電話がかかってきた際の対処法をご紹介します。被害にあわないために、日頃から意識し、対策しましょう。
知らない電話には出ない、対応しない
非通知や見知らぬ電話番号からの電話には、まず出ないのが基本的な対策です。
万が一電話に出てしまった場合、少しでも「おかしい」「あやしい」と感じたら、一度電話を切り、相手の会社や電話番号を改めて調べるなど、落ち着いて対処しましょう。
家族や第三者に相談、相談機関も活用
不安になったときは、家族や友人、信頼できる第三者に相談することで、被害を防止できる可能性があります。周りに頼れる人がいない場合は、警察相談専用電話(♯9110)など、相談機関を活用するのも有効です。決して一人で対応せず、必ず誰かに相談しましょう。
迷惑電話対策サービスを活用
スマートフォンや固定電話には、迷惑電話を自動で検出し、警告や拒否をしてくれるサービスがあります。こうしたサービスをあらかじめ導入しておくことで、詐欺被害のリスクを減らすことができます。
詐欺対策アプリであやしい電話をブロック

特殊詐欺の手口は巧妙化しています。さらに、高齢者だけでなく、日頃からスマホを使い慣れている現役世代も狙われるようになっています。「自分だけは被害にあわない」と思わず、誰もが日頃から対策をしておく必要があります。
セキュリティOneの「迷惑電話チェック」では、トビラシステムズの迷惑情報データベースをもとに、迷惑電話を自動で検知し、警告や拒否を行います。特殊詐欺などの危険な電話も事前に警告してくれるため、被害を防ぐことができます。
「迷惑メッセージチェック」では、近年急増中の「フィッシング詐欺」や「架空料金請求」などのSMSを自動で検知し、警告表示(Android)や迷惑フォルダ振り分け(iPhone)を行います。
日頃から迷惑電話・迷惑SMS対策アプリを活用することで、巧妙化する詐欺への防御策となります。
出典:特殊詐欺情報局 by トビラシステムズ
https://note.com/tobila/n/ndda4028f217b
迷惑情報の提供を受け付けています
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「あやしいな」「詐欺かな?」と感じるメッセージや電話を受け取ったら、情報をお送りください。トビラシステムズ社の調査を経て、迷惑だと判定された情報はデータベースに追加されます。
お客様の情報提供が、社会全体の詐欺被害を減らすことにつながります。ぜひご協力お願いします!
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