スマホで家族や友人と連絡を取るときに、「LINE」などのメッセージアプリを利用している人が多いのではないでしょうか。誰とでも簡単に連絡が取れる便利なメッセージアプリですが、近年これを悪用した詐欺が多発しているのを知っていますか?巧妙な詐欺にだまされないよう、手口と対策をチェックしましょう。
メッセージアプリ誘導型の詐欺が多発
詐欺といえば、オレオレ詐欺、還付金詐欺、架空料金請求詐欺などの「特殊詐欺」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。特殊詐欺は、電話やメール・SMS(ショートメッセージ)でターゲットに接触し、お金をだまし取るのが特徴です。
しかし、最近は接触手段にSNSが使われる新たな詐欺も増えています。幅広い世代で利用されている「Facebook」や「Instagram」の偽広告やDMなどから、「LINE」などのメッセージアプリに誘導され、被害に巻き込まれるケースが目立っています。そのほかにも、一定時間が過ぎるとメッセージが消える「Telegram(テレグラム)」や「Signal(シグナル)」など、秘匿性の高いメッセージアプリが悪用されることもあります。
SNSやメッセージアプリを悪用した詐欺では、投資や副業などの「もうけ話」をきっかけにだまされるケースが多発しています。巧妙な手口の事例をご紹介します。
著名人の偽広告が多発「SNS型投資詐欺」

SNS型投資詐欺は、SNSなどの非対面で接触し、メッセージのやり取りを重ねて信用させた上で、架空の投資話を持ちかけるなどしてお金をだまし取る手口です。警察庁の発表によると、令和6年1月〜3月の被害額はすでに約219億円と深刻な状況です。
被害の多くは、「Facebook」や「Instagram」などのSNS上に表示される偽広告をタップすることから始まります。偽広告には著名人の写真が悪用され、「無料の投資教室」などとうたわれているケースも。偽広告にアクセスした先では、「LINE」などのメッセージアプリで投資関連のグループチャットに参加を促されます。

グループチャットでは、著名人や、「先生」「アシスタント」と名乗る人物が登場し、投資に関する情報やアドバイスなどを日々投稿します。グループ内では、他の参加者が「先生のおかげで利益が出た」「私も成功した」などのメッセージを頻繁に投稿する場合がありますが、これは投資話を信じ込ませるための偽物の参加者(サクラ)です。

メッセージのやり取りを重ねて参加者を信用させたのち、架空の投資話を持ちかけ、指定の口座に振り込ませるなどして金銭をだまし取ります。専用のサイトに登録するよう指示し、画面上では利益が出ているように表示して信じ込ませたり、出金したいと伝えると事前に説明のなかった手数料を求めたりして、繰り返し振り込ませる手口もみられています。
簡単な仕事で高額報酬のワナ「タスク詐欺」

「スマホで簡単な仕事をするだけで報酬が得られる」「すきま時間で1日5万円稼げる」などの副業を称し、送られてくるタスクをこなしていくうちにお金を騙し取られてしまう「タスク詐欺」が発生しています。
タスク詐欺は、SNS広告、「Facebook」や「Instagram」のDM、スマホに届くメッセージ等をきっかけに副業を勧誘され、「LINE」などのメッセージアプリに誘導されます。LINEでは「動画を視聴して『いいね!』するだけ」「SNSで指定のアカウントをフォローするだけ」など簡単なタスクが送られてきます。実行すると数百円ほどの報酬が電子決済サービス等を通じて得られる場合がありますが、これははじめに少額の報酬を与えてその後のやり取りを信じさせるための“ワナ”です。
タスク専用のアカウントに登録するよう指示され、タスクを行うとアカウントの画面上で報酬が増えたように見える場合などもありますが、これも被害者を信じ込ませるための演出に過ぎません。
タスクをこなすうちに、「高報酬タスク」を行うグループに勧誘される場合があります。「高報酬タスク」では、自分で選んだ金額を指定の口座に入金すると、賞金額をプラスした金額がタスク終了後に出金できると言われることがありますが、もちろんこんな“うまい話”はなく、入金すればお金は戻ってきません。
さらに「タスクに失敗したので違約金の支払いが必要」「他のメンバーがタスクを間違えたので連帯責任だ」「報酬の出金には手数料がかかる」などと様々な理由で、繰り返し入金を求められるケースもあります。
投資や副業の「もうけ話」に注意
「SNS型投資詐欺」や「タスク詐欺」では、おもにSNS上の偽広告からメッセージアプリに誘導され、メッセージのやり取りを重ねる中でお金をだまし取られます。犯罪グループはメッセージのやり取りを重ねて被害者を信用させたり、「もっと大きなお金が手に入る」と期待感を抱かせたりします。詐欺と気づかずに何度も入金し、被害額が高額化しやすいのも特徴です。
対策として、SNS上で投資や副業などを勧誘する広告を目にしても、安易に飛びつかないでください。特に、広告のアクセス先で「LINE」などメッセージアプリのグループチャットに誘導される場合は要注意。面識のない人からの投資話の誘いや、金銭の振り込みなどを求められたら詐欺を疑い、家族や警察などに相談してください。「絶対に成功する投資」や「簡単に稼げる副業」などのうまい話はありません!
詐欺対策アプリを活用して防犯を!

犯罪者は常に最新の詐欺手口を考え出し、私たちのちょっとした心の隙を狙っています。詐欺の入り口には、SNSのほか、電話やSMS(ショートメッセージ)が使用されることもまだまだ多い状況です。
セキュリティOneの「迷惑メッセージチェック」では、トビラシステムズ社の独自データベースをもとに、迷惑SMSの受信時に自動で警告表示(Android)や迷惑フォルダ振り分け(iPhone)を行います。詐欺SMSを開封したり、URLにアクセスしたりする危険を軽減できます。
迷惑SMSのほか、「迷惑電話チェック」では、迷惑電話の対策機能も利用できます。特殊詐欺や悪質商法などの電話の発着信時に警告・拒否するので、より安心して電話を利用できます。
最新の詐欺手口に備え、被害にあわないよう対策を徹底しましょう!
出典:特殊詐欺情報局 by トビラシステムズ
https://note.com/tobila/n/n765eb68f192e
迷惑情報の提供を受け付けています
アプリ内では迷惑メッセージや電話の情報提供を受け付けています。
「あやしいな」「詐欺かな?」と感じるメッセージや電話を受け取ったら、情報をお送りください。トビラシステムズ社の調査を経て、迷惑だと判定された情報はデータベースに追加されます。
お客様の情報提供が、社会全体の詐欺被害を減らすことにつながります。ぜひご協力お願いします!
情報提供の手順
- セキュリティOneアプリ内の「迷惑電話チェック」をタップ
- 「情報提供」をタップ
- ご報告内容に合わせ、「電話を報告」または「メッセージを報告」のいずれかをタップ
- ご報告内容を入力し、送信をタップ